集光Sheet開発概略内容
物理学の法則(反射屈折の法則)によれば 太陽光パネル表面にあるような ガラス、もしくはプラスチックのような平板(太陽光を追尾しない)を通過する太陽光量は 法線方向(真上)の光線では約92%(0.96の2乗)の効率がある。一方 朝夕の水平方向の太陽光は反射による損失が大きい。全体として1日の全方位角平均では 平板では太陽光集光エネルギー透過効率は約72%になる。つまり太陽光エネルギーの28%が表面反射による損失になる。本研究開発の第一目的はこの点の改善である。以下にその内容を示す。
本シートの表面にある種の形状(プリズムシートを張り合わせた立体形状)を持たせる。全方位にわたって分散している周辺光を90%以上の高率で集光することができる。株式会社光エネルギー研究所のシミュレーションと簡易な試作においてこのことを確認した。この形状を持つ集光シートを既存の平板型太陽光パネル表面に使用すると1日の発電効率を大きく(30パーセント程度)改善する。集光PVシートは集光効率を大幅に改善する。シート両面に立体形状を形成することが特徴である。既存のPVパネルの表面を置換することで容易に
効率向上が実現できる。既述したように 集光効率を大幅に向上させる研究開発(例えばNEDOのテーマとして)はあまり行われていないことを考慮すると有益性が高いと思われる。
集光PVシートを用いることにより 単位面積当たりの発電効率を改善できる。しかし、発電コストの低減を根本的に解決することはできない。集光部とPV素子部の面積が同一であることが最大の問題である。コスト削減のために集光型太陽光発電の長所(素子あたりの発電効率を上げるため照射光量を増加させる)を利用する必要がある。本研究の第2の目的はこの集光システムの開発にある。
以下にその内容を示す。
太陽光を大量に安価に集めるシステムが実現できれば発電コストを大幅に削減できる可能性がある。
この課題達成のため 上記集光PVシートを大量に使用し集光エネルギーを更に集める機能の開発が必要になる。また 集光PVシートのコストを市販のビニールシート並みに低減する必要がある。そのための製造法の開発も必要である。
集光PVシートは以下の3つの要素で構成される。
?:太陽光を含めた周辺光を綿内に取り込む集光部
②:集光した光線を平面内の1つの方向に配光しシート平面内に閉じ込める機能(法線方向配光部)
③:同一方向へ進行する光を1方向に導光しつつ それらを集めてエネルギー密度を高め、更に複数のシートを結合しさらにエネルギー密度を高める(線状導光圧縮部)。
この機能実現は シミュレーションで明らかになった全方位集光した光が特徴的な角度分布を持つことを利用して実現する。この角度分布にあわせて 法線方向からシート平面方向へ配光する立体形状を形成する。この立体形状の形成は従来技術では困難である。その形成法である紫外線効果樹脂を使用した微細立体構造の構成とその形状をシートに形成する製造装置が必要である。紫外線効果樹脂を使用した安価な印刷技術を使用して製造することを目標としている。印刷技術を採用することにより 従来複雑で実現できなかった光学的な機能が実現できる。光を平面内に閉じ汲めることにより 従来3次元的に実現されていた機能を平面シートで実現できる。印刷技術によって PC等で平面上にその形を描画し直ちに安価にシート化できる利点がある。
紫外線硬化樹脂を使用した印刷技術を用いることは大きな可能性があるが 今後の課題としては 紫外線硬化樹脂による製造だけでなく ビニール等他のプラスチック熱硬化樹脂を使用した更に安価な材料の選択とその製造手段の開発も必要である。更に材料の特性を考慮した シミュレーションによる その形状の最適化も合わせて行う必要がある。
集光エネルギーを更に高める構造と製造法についても基本的な特許出願を済ませているが 現実に試作するための 製造装置の製作、それによる試作実験を さまざまな角度から行う必要がある。
本開発の目的は 以上の基本的な考えを実用化するための 試作と理論的検証(Simulation)のステップを経て 更なる新規技術の研究開発とその実用化技術の確立を目的としている。